ONE PIECE (ワンピース) | 冒険・友情・夢が詰まった国民的漫画の魅力を徹底解説

漫画

『ONE PIECE』:冒険、友情、そして自由を追い求める壮大な物語

尾田栄一郎先生が手掛ける『ONE PIECE』は、『週刊少年ジャンプ』(集英社)で1997年から連載が続く、世界中で愛される海洋冒険ロマンです。2015年には「最も多く発行されたコミックス」としてギネス世界記録に認定され、その累計発行部数は4億7,000万部を突破するなど、現在も記録を更新し続けています。

 


物語の始まりと「大海賊時代」

物語は、伝説の海賊王ゴールド・ロジャーが処刑前に遺した「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を巡り、数多くの海賊たちが覇権を争う「大海賊時代」を舞台に展開します。主人公のモンキー・D・ルフィは、「ゴムゴムの実」を食べて全身がゴム人間となる能力者ですが、その代償として一生泳げない体になってしまいます。幼少期に海賊シャンクスと出会い、彼に預けられた麦わら帽子をトレードマークに、「海賊王」を目指す大いなる旅に出るのです。


仲間たちとの出会いと「麦わらの一味」の航海

ルフィは冒険の中で、個性豊かな仲間たちを「麦わらの一味」として加えていきます。

  • 東の海編:ルフィの故郷「フーシャ村」から始まり、三刀流の剣士ロロノア・ゾロ、海賊専門の泥棒ナミ、嘘つき少年ウソップ、そして副料理長サンジが仲間に加わります。ココヤシ村でのアーロン一味との戦いを経て、ナミは正式な一員となります。
  • アラバスタ編:「偉大なる航路」に突入し、アラバスタ王国の王女ネフェルタリ・ビビと出会います。国の危機を救うため、秘密犯罪会社「バロックワークス」のボス、サー・クロコダイルと激闘を繰り広げます。この章では、人の能力を持つトナカイの船医トニートニー・チョッパーが仲間に加わり、その後、バロックワークスの副社長であった考古学者ニコ・ロビンも正式に一味に加わります。
  • 空島編:上空1万メートルにある「空島(スカイピア)」に到達し、そこを支配する「神」エネルとの戦いを繰り広げます。
  • ウォーターセブン編・エニエス・ロビー編:大切な船「ゴーイングメリー号」の修理のため「ウォーターセブン」へ向かいますが、船の寿命が告げられ、ウソップとの衝突が起こります。さらにニコ・ロビンが世界政府の諜報機関「CP9」に連れ去られる事態が発生し、ルフィたちはロビンを救出するため司法の島「エニエス・ロビー」に乗り込み、壮絶な戦いを繰り広げます。この戦いを経て、船大工フランキーが仲間に加わり、新たな船「サウザンドサニー号」を手に入れます。
  • スリラーバーク編:「魔の三角地帯」で喋るガイコツのブルックと出会い、王下七武海の一人ゲッコー・モリアが支配する幽霊船「スリラーバーク」での戦いを経て、ブルックが音楽家として仲間に加わります。
  • シャボンディ諸島編:「偉大なる航路」の半ばにある「シャボンディ諸島」で、元ロジャー海賊団副船長シルバーズ・レイリーや「最悪の世代」の海賊たちと出会います。しかし、天竜人を殴ったことで海軍大将「黄猿」や人間兵器「パシフィスタ」に追われ、バーソロミュー・くまの能力によりルフィたちは世界各地に飛ばされ、バラバラになってしまいます。
  • インペルダウン編・マリンフォード頂上戦争編:ルフィは兄エースを救うため「大監獄インペルダウン」に潜入し、革命軍幹部エンポリオ・イワンコフ、元七武海のジンベエやクロコダイルと共闘して脱獄します。その後、白ひげ海賊団と海軍本部が激突する「マリンフォード頂上戦争」に参加し、義兄エースの死という悲劇に直面します。戦争後、ルフィは仲間たちに2年間の修行を促し、それぞれがさらなる成長のための時間を過ごします。
  • 魚人島編:2年後、ルフィたちは「魚人島」に再集結し、深海の楽園を脅かす「新魚人海賊団」と戦います。この戦いを経て、ジンベエは麦わらの一味に加わることを約束します。
  • パンクハザード編:新世界で最初に上陸した「パンクハザード」で、トラファルガー・ローと海賊同盟を結び、四皇「百獣のカイドウ」を倒すための壮大な計画を開始します。
  • ドレスローザ編:ドンキホーテ・ドフラミンゴが支配する「ドレスローザ」で、ルフィは義兄サボと再会し、ドフラミンゴとの壮絶な戦いを繰り広げます。この後、ルフィの傘下に7つの組織が入り、「麦わら大船団」が結成されます。
  • ホールケーキアイランド編:サンジを奪還するため、四皇「ビッグ・マム」のナワバリに乗り込みます。ルフィはシャーロット・カタクリとの一騎打ちを制し、世間からは「五番目の皇帝」と位置付けられることになります。
  • 世界会議(レヴェリー)編:ホールケーキアイランドから脱出した頃、「聖地マリージョア」では世界各国の王たちが集い「世界会議」が開催されます。この会議では、魚人島の地上移住や七武海制度の廃止などが議論され、革命軍の活動も活発化します。
  • ワノ国編:ルフィたちは鎖国国家「ワノ国」に上陸し、四皇カイドウと将軍黒炭オロチの支配に挑みます。光月おでんの意思を継ぐ「赤鞘九人男」たちと協力し、ルフィは「ギア5」を発動してカイドウを倒し、ワノ国を解放します。
  • エッグヘッド編:現在の章は新世界の「エッグヘッド編」で、ルフィたちはDr.ベガパンクを助けるため、新たな冒険に挑んでいます。

広大な世界観と魅力的な設定

『ONE PIECE』の舞台となる世界は、国際組織「世界政府」によって統治されていますが、海賊王ゴールド・ロジャーの処刑をきっかけに「大海賊時代」が到来し、海賊たちが世界中で勢力を広げています。世界は「偉大なる航路(グランドライン)」と「赤い土の大陸(レッドライン)」によって東の海(イーストブルー)、西の海(ウエストブルー)、南の海(サウスブルー)、北の海(ノースブルー)の4つの海に区切られ、上空には「空島」といったユニークな場所も存在します。

この世界には、食べると特殊な能力が身につく「悪魔の実」が存在し、多くの登場人物が超人的な戦闘力を備えています。また、巨人や魚人のような亜人種、海王類といった特殊な動物も登場し、物語に深みを与えています。

「偉大なる航路」は「海賊の墓場」と言われるほど危険で、通常の方位磁針が使えないため「記録指針(ログポース)」や「永久指針(エターナルポース)」といった特殊な道具が必要です。最終地点には「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」が眠るといわれる「ラフテル」が存在すると言われています。

世界の秩序を保つ三大勢力として、世界政府直下の「海軍」、政府公認の海賊である「王下七武海」(現在は撤廃)、新世界に君臨する「四皇」が存在します。これらの勢力間の均衡が世界の動きを大きく左右します。また、世界政府打倒を目論む反政府組織「革命軍」も重要な勢力として物語に深く関わっています。

 

 


作品の根底にある「絆」と作者のこだわり

『ONE PIECE』の最大の見どころは、ルフィと仲間たちの「絆」です。ルフィは仲間の悩みを本能的に見抜き、最も心に響く言葉をかけることで、その絆を深めていきます。例えば、チョッパーを仲間に誘う際の「うるせえ!!! いこう!!!!」というセリフは、彼の純粋な優しさと強引なまでの行動力を示しています。また、ロビンが初めて本心を口にした「生ぎたいっ!!!!」や、ゾロの「おれはもう!! 二度と敗けねェから!!!!」など、読者の心に深く響く数々の名言が生まれています。

作者の尾田栄一郎先生は、作品が少年のものであるべきという考えから、「作中で恋愛を描かない」「殺人や死亡シーンをなるべく描かない」「戦いの後には仲間たちとの楽しい宴が始まる」といった独自の制約を設けています。また、ルフィには心理描写が一切なく、思ったことは必ず口に出すように描かれており、彼の真っ直ぐな性格が強調されています。

なんか、携帯にログポーズが表示された・・・

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