『ハイスクール!奇面組』の魅力と歴史を徹底解説!ギャグ漫画の金字塔を深掘り
新沢基栄先生による不朽のギャグ・コメディ漫画『ハイスクール!奇面組』は、そのユニークなキャラクターと抱腹絶倒のギャグで、多くの読者を魅了してきました。今回は、この作品の概要から歴史、そして登場人物たちの魅力まで、深掘りしてご紹介します!
作品の歩み:『3年奇面組』から『フラッシュ!奇面組』まで
『ハイスクール!奇面組』の物語は、実はその前身である『3年奇面組』から始まります。
- 『3年奇面組』:1980年から1982年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、主人公たちの中学生時代が描かれました。単行本は全6巻。
- 『ハイスクール!奇面組』:主人公たちが高校に進学するのに伴い、1982年から1987年までタイトルを変更して連載。単行本は全20巻に及び、累計発行部数はなんと1000万部を突破する大ヒットを記録しました!
さらに、本編を補完する**『帰ってきたハイスクール!奇面組』(2000年)や、時代設定を平成に移した『フラッシュ!奇面組』(2001年から2005年)**も発表されており、その根強い人気がうかがえます。
舞台は「一応高校」!奇面組のモットーとは?
物語の舞台は、上空から見ると「HIGH」の文字になっているというユニークな校舎を持つ架空の学校「一応高校」。この高校で、中心となる5人組「奇面組」が日々珍事を巻き起こします。
彼らのモットーは、「他人に笑われようとも自分の個性を堂々とさらけ出し、世の中を味付けする調味料になろう」というもの。ここでいう「変態的」な行動とは、奇人・変人や異常な行動を指し、「人知を超越した存在」(手足が伸びたり、壁を歩いたり、動物に変身したりといった超人的な行動)として描かれています。彼らの「個性の追求」こそが、奇面組結成の理由でした。
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奇面組の主要メンバーを紹介!
奇面組のメンバーは、その名前がダジャレになっているのが特徴的です。
- 一堂零(いちどう れい):奇面組のリーダーで主人公。「眉なしの零」の異名を持ち、強烈な個性と「変態力」の持ち主。ギャグシーンでは、通常の頭身から突然2頭身のデフォルメキャラに変化することが多く、その頻度は群を抜いています。
- 冷越豪(れいえつ ごう):奇面組のサブリーダー。「まなこの豪」と呼ばれる太い眉毛とギョロ目が特徴の硬派・武闘派。しかし、根は臆病でセコい一面も。体毛が非常に濃く、足の裏の油分で水上を歩くこともできるという特技も!密かに宇留千絵に想いを寄せています。
- 出瀬潔(しゅっせ きよし):尖った頭と出っ歯が特徴で「むき歯の潔」と呼ばれます。奇面組の中では比較的常識人ですが、超スケベでスカートめくりが得意技(健全な描写なのでご安心を!)。
- 大間仁(だいま じん):常に笑っているような顔と福耳から「えびすの仁」と呼ばれます。温厚でマイペース、寝ることと食べることしか興味がなく、異常な食欲の持ち主です。
- 物星大(ものほし だい):極端なおちょぼ口と中性的な容姿、乙女チックな性格が特徴。不意打ちのキス攻撃を得意とする、奇面組のムードメーカー(?)。
そして、彼らを慕う二人のヒロインも忘れてはいけません。
- 河川唯(かわ ゆい):天真爛漫で成績優秀な本作のヒロイン。個性的な人物に惹かれる傾向があり、零に好意を寄せています。
- 宇留千絵(うる ちえ):唯の親友で、もう一人のヒロイン。おしとやかな唯とは対照的に、豪快でがさつな性格。冷越豪とは互いにぶつかり合いながらも、意識し合う関係へと発展していきます。
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作品を彩るユニークな特徴
『ハイスクール!奇面組』が長年愛される理由には、以下のような特徴が挙げられます。
- 一話完結型ギャグ:基本的に一話完結のギャグストーリーが中心で、どの回から読んでも楽しめます。
- 激しいツッコミ表現:ボケ役に対するツッコミは非常に激しく、巨大ハンマーやハリセンといった武器も登場!作者の新沢先生は、『シティーハンター』の100tハンマーは自身の作品の真似だと語っているほどです。
- キャラクターの成長:連載初期はキャラクターが毎年年を取る方針で、途中で奇面組のメンバーが落第・留年することで、唯や千絵と同学年になるように調整されました。
- タイムワープ設定:長期連載のため、作者がタイムマシンに乗って過去に戻り、同じ年の異なる出来事を描くというユニークな「タイムワープ設定」が導入されました。これは、作者の連載終了の意向が編集部に受け入れられず、人気作の継続を求められた結果生まれたものです。
- 最終回の物議:原作の最終回は、読者間で「夢オチ」ではないかと物議を醸しました。作者は「空想とも正夢とも取れるように描いた」と述べており、後に出版された愛蔵版では、第1話につながるような演出が加えられ、ループや正夢を想像させる形になっています。
奇面組以外にも、「色男組」「番組」「腕組」「御女組」など、多くの個性的な5人組のチームが登場し、物語をさらに盛り上げています。
奇面組メンバーの必殺技・特殊能力
『ハイスクール!奇面組』では、個性的なキャラクターたちが「人知を超越した存在」としての「変態的」な行動を繰り広げ、時に超人的な能力や独特の「必殺技」を発揮します。
- 奇面フラッシュ(奇面組)
- 奇面組のメンバー全員で濃い木目のような顔を作り、そこから強烈な光とビームを放つ必殺技です。変態集団奇面組のリーダーである一堂零を筆頭とする5人組の必殺技として、物語の初期から彼らを制止しようとする相手を倒すために使用されました。
- 筋肉大移動(一堂零)
- 一堂零が体中の筋肉を一箇所に集中させ、超人的な力を出す技です。しかし、元の場所に戻るまで体の形がボコボコと変わるなど、制御が効かなくなる副作用があります。
- 2頭身デフォルメ(一堂零)
- 一堂零は、動的なギャグシーンで通常の頭身(主に6頭身)から突然2頭身のデフォルメキャラに変化することが多々あります。特に彼がこの姿になる頻度は最も高いです。これは作者がコマに収めるために頭身を縮めた結果であり、後に意識して描かれるようになりました。
- 水上歩行(冷越豪)
- 手のひらや足の裏に非常に濃い体毛を持ち、その油分で水の上を歩くことができます。
- クラッシュ吾郷(冷越豪)
- 冷越豪が自称する名称で、プロレス技をたびたび繰り出す危険な男として描かれています。
- スカートめくり(出瀬潔)
- 超スケベな出瀬潔の得意技です。ただし、描写は健全でスカートの中は見せないように配慮されています。
- 不意打ちのキス攻撃(物星大)
- 乙女チックで中性的な性格の物星大の得意技です。
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その他のキャラクターと変身能力、そしてギャグの「武器」
奇面組以外のキャラクターも、その個性に合わせた様々な能力や技を披露します。
- 変態しりとり合戦(春曲鈍)
- 一堂零のライバルである春曲鈍の特技の一つです。
- 殺人スパイク(札仁巣牌子 – 愚名印南高校女子バレーボール部)
- 巨漢の体格を活かした強烈なスパイクで、その威力は奇面組5人全員で受け止めきれないほどです。
- 弾丸シュート(球鯖木巧 – 入分高校サッカー部)
- 全国大会優勝経験のある強豪校のキャプテンが放つ必殺シュートです。このシュートで数々の選手が病院送りにされています。
- 背面とび魚ターン(青向あゆ子 – 一応高校水泳部)
- 水泳部の女性部員である青向あゆ子が得意とする背泳の技で、ターンと共に5メートルも飛ぶことができます。
- 北殿珍拳(北殿軒戻樹 – 一応高校空手部)
- 『北斗の拳』のケンシロウのパロディキャラクターである北殿軒戻樹が自称する技です。アニメ版では著作権の関係で事代作吾がこの役回りを担当しました。
作中には、特定のキャラクターが別の人格や姿に変身する能力も登場します。
- ワラトルマン(一堂零)
- 零が特殊乾電池(太陽電池)を使用して変身する『ウルトラマン』のパロディキャラクターです。変身時間は3分で、必殺技は「スペシャル光線」ですが、めったに使いません。
- イヌトラ7(ラッシー)
- 零の飼い犬であるラッシーが特殊サングラスをかけることで変身する姿です。時間無制限で変身できますが、主に時間稼ぎのやられ役です。
また、特定のキャラクターの必殺技ではありませんが、激しいツッコミの際に使われる道具も作品の特徴です。
- 巨大ハンマー・ハリセン
- ボケ役に対するツッコミは非常に激しく、殴り倒す、蹴り飛ばすといった物理的な攻撃の他に、ギャグ漫画の定番である巨大ハンマーやハリセンといった武器も登場します。作者の新沢基栄は、『シティーハンター』の100tハンマーは自身の作品の真似だと語っています。
まとめ
『ハイスクール!奇面組』は、その破天荒なギャグと魅力的なキャラクターたちによって、日本のギャグ漫画史に大きな足跡を残しました。まだ読んだことがない方も、ぜひ一度この「変態的」な世界に触れてみてはいかがでしょうか?きっと、あなたも奇面組の虜になるはずです!

俺もフラッシュ出来そうな気がする。
キン肉マンじゃなくて、奇面組の方の・・・