ARMS SFバトル漫画 エヴァよりやばい暴走

SF

ARMSの紹介

小学館の『週刊少年サンデー』で連載された皆川亮二氏作画、七月鏡一氏原案協力のSFアクション漫画『ARMS』は、普通の高校生だった高槻涼が、謎の兵器ARMSを移植された転校生の新宮隼人との出会いをきっかけに、世界規模の巨大な陰謀に巻き込まれていく物語です。

 


ARMSとは

ARMSとは、人間の能力を飛躍的に向上させるために生み出された、ナノマシンの集合体であり、炭素生命体と珪素生命体のハイブリッド生命体です。負傷からの驚異的な治癒能力や受けた攻撃への耐性、そして本来持つ能力の引き上げといった特性を持ち、戦闘時には移植された部分が武器のように変形します。この兵器の開発には、第二次世界大戦時から存在する巨大な軍産複合体「エグリゴリ」が深く関わっています。エグリゴリはサイボーグ、BC兵器、クローン、エスパーなどの軍事最先端技術を開発し、そのネットワークは各国政府にまで及ぶ強大な組織です。


物語のモチーフとテーマ

『ARMS』の物語は、ルイス・キャロルの児童小説『不思議の国のアリス』とその続編『鏡の国のアリス』がモチーフとして深く用いられており、ARMSの名称(ジャバウォック、ナイト、ホワイトラビット、クイーン・オブ・ハートなど)や物語の核心部分、登場人物の名前にもその影響が見られます。

本作は「人間とは一体何か?」という普遍的なテーマを扱い、緻密な描き込みと迫力のあるアクション描写が魅力のSF漫画です。物語の舞台は日本とアメリカにわたります。


物語の構成

物語は全5部で構成されており、各章で涼と仲間たちの戦いが展開されます。

  • 第一部「覚醒編」: 主人公の高槻涼は、転校生の新宮隼人の出現によって、平凡な日常を壊されます。隼人の腕にはARMSが移植されており、涼の右腕にも同じものが宿っていることが明らかになります。涼と隼人は、両足にARMSが移植された少年「巴武士」や、エグリゴリを裏切った天才少年「アル・ボーエン」を仲間に加え、ARMSの手がかりを求めて隼人の故郷である鐙沢村へと向かいます。そこには彼らの出生にまつわる驚くべき真実が隠されており、避けがたい試練に直面することになります。

  • 第二部「邂逅編」: 鐙沢村での悲劇的な出来事を経て、涼は失意の中にいました。そんな中、4人目のARMS適合者であり、涼の幼馴染である赤木カツミと瓜二つの少女「久留間恵」が現れます。彼女はエグリゴリに対抗する組織「ブルーメン」の一員であり、その情報によってカツミがまだ生きている可能性が示されます。しかし、エグリゴリは超人部隊「X-ARMY」を率いて、涼たちの住む街全体を巻き込む大規模な作戦を企てます。

  • 第三部「進化編」: カツミの消息に関する手がかりを追って、涼たちはアメリカへと旅立ちます。彼らはとある田舎町ギャローズベルで、アルのかつての仲間である天才児集団「チャペルの子供たち」と、彼らが率いる強化人間部隊「猟犬部隊(ハウンド部隊)」の襲撃を受けます。ギャローズベルの地下施設には、ARMSの起源とされる珪素生命体「アザゼル」が存在しており、涼たちはさらなる戦いに巻き込まれていきます。

  • 第四部「アリス編」: 涼たちはエグリゴリへの反攻を誓い、その本拠地であるニューヨークへ向かいます。彼らはエグリゴリの頭脳である博士を拘束することに成功し、博士からアザゼル、そしてARMS誕生の鍵を握る少女「アリス」の物語という、彼らすべての運命に関わる驚愕の真実を聞かされます。アリスはエグリゴリによって生み出された少女であり、アザゼルに「心」を造る作業を担当していましたが、ある事故をきっかけにアザゼルと融合し、「始まりのARMS」としてのアリスが誕生したのでした。この時、アリスの精神は分裂し、その分身として4つの「オリジナルARMS」(ジャバウォック、ナイト、ホワイトラビット、クイーン・オブ・ハート)が誕生したのです。涼は自身のARMSの力に苦悩しながらも、仲間たちの支えを得て、エグリゴリ本部「カリヨンタワー」での大決戦に臨み、ついにカツミを取り戻すことに成功します。

  • 第五部「帰還編」: ニューヨークでの激しい戦いを制し、カツミを奪還した涼たちは、ARMSの力も消滅し、穏やかな日常を取り戻します。しかし、カツミの体に新たなARMSが発現し、「プログラム・バンダースナッチ」と呼ばれる新たな計画が動き出します。これは人類滅亡を目的とする壮大な計画であり、涼と仲間たちはARMSの力を失った状態にもかかわらず、人類の存亡をかけた最後の戦いへと挑むことになります。

 

主要キャラクターとARMS

高槻 涼(たかつき りょう)

本作の主人公です。普通の高校生でしたが、転校生の新宮隼人の出現により日常が一変します。

  • ARMS: 右腕に移植された、「憎悪」の意思を示すオリジナルARMS「ジャバウォック」(魔獣)。あらゆる物質やエネルギーを吸収して自身の力に変え、進化を重ねるごとに洗練された形状となります。伸縮自在の柔軟性、高いパワー、高速再生能力、そして「ARMS殺し」機能を備えた「ジャバウォックの爪」を持つ、極めて異質なARMSです。『鏡の国のアリス』に登場する怪物が名前の由来です。
  • 性格: 飄々としてマイペースですが、責任感が強く、人としての優しさや強さも持ち合わせています。
  • 背景: 両親(養父母)は世界屈指の傭兵で、幼い頃から父親にサバイバル技術を叩き込まれていました。

新宮 隼人(しんぐう はやと)

涼の通う高校に転校してきた生徒です。

  • ARMS: 左腕に移植された、「仁愛」の意思を示すオリジナルARMS「ナイト」(騎士)。全ARMS中最強の硬度を持つブレードを持ち、最終形態では「ARMS殺し」の「ミストルティンの槍」を使用します。『鏡の国のアリス』の白の騎士が名前の由来です。
  • 性格: 喧嘩っ早く直情的ですが、義理人情に厚い一面も持ちます。
  • 背景: 幼い頃、故郷の鐙沢村をエグリゴリに襲撃され、父親を殺され自身も左腕を失った壮絶な過去を持ち、キースへの強い復讐心を抱いています。祖父である十三から新宮流古武術を学び、ARMSだけでなく武術も使って戦います。

巴 武士(ともえ たけし)

涼たちの高校に転校してきた生徒です。

  • ARMS: 両足に移植された、「勇気」の意思を示すオリジナルARMS「ホワイトラビット」(白兎)。高い脚力、高速移動、長距離跳躍を可能にし、最終形態では音速を超える速度で飛行することもできます。童話『不思議の国のアリス』の白ウサギから名前が来ています。
  • 性格: 当初は臆病で繊細かつ内向的ですが、涼や隼人との出会いを経て成長し、仲間や家族を大事にするようになります。
  • 能力: ARMSの発動がなくても驚異的な反射神経と運動神経、動体視力を持ち、音速で攻撃を仕掛ける相手を見切れるほどです。

久留間 恵(くるま けい)

本作のヒロインの一人で、反エグリゴリ組織「ブルーメン」のメンバーです。

  • ARMS: 両眼に移植された、「審判」がプログラムされたオリジナルARMS「クイーン・オブ・ハート」(ハートの女王)。直接的な攻撃能力は低いですが、あらゆることを見通す透視能力を備え、他のオリジナルARMSの発動をある程度制御できる司令塔としての能力に優れています。
  • 背景: 涼の幼馴染である赤木カツミと瓜二つの容姿をしています。幼い頃、通り魔に襲われ友人2人と両目の視力を失った後にARMSを移植されました。
  • 性格: 当初は高慢な態度で孤立していましたが、過酷な状況を経験することで、強い意志と他者を信頼する心を持った真のリーダーへと成長します。

赤木 カツミ(あかぎ カツミ)

涼の幼馴染で、本作のキーパーソンとなるヒロインの一人です。

  • ARMS: 第一部で死亡したと思われていましたが、エグリゴリに拉致され生存していました。恵と同じ遺伝子を持つ双子の姉妹であると判明します。エグリゴリが創り得た唯一のオリジナルARMS適正者ですが、ARMSは移植されず、キース・ブラックの計画により涼と互いにかげがえのない存在となるよう仕組まれました。後に「黒いアリス」の浸食によりARMS「バンダースナッチ」(滅びの神獣)を宿し、エグリゴリ残党の女王として君臨します。

アル・ボーエン(Al Bowen)

エグリゴリの実験で生み出された天才児「チャペルの子供たち」の中で最高の頭脳を持つ双子の兄です。

  • 役割: 当初はエグリゴリの刺客として涼たちと敵対しますが、弟ジェフの死を機に涼たちと共闘するようになります。ハッキングや機械操作に長け、涼たちの旅を頭脳面でサポートします。
  • 性格: 自らを「人類一の頭脳を持つ」と自負する傲岸不遜で負けず嫌いな性格ですが、隼人との交流などを通じて人間的に大きく成長します。

ユーゴー・ギルバート(Hugo Gilbert)

本作のヒロインの一人で、「天使ユーゴー」の異名を持つ世界最強のテレパシストです。

  • 役割: エグリゴリの超人部隊「X-ARMY」のメンバーとして登場します。涼の精神に触れたことで彼に惹かれ、涼を救うために何度も危機に飛び込みます。
  • 背景: 心を読める能力を持つがゆえに、研究者たちの心の闇に晒されて育ち、心に深い傷を抱えていました。

高槻 巌(たかつき いわお) / ウィンド(Wind)

涼の養父で、商社勤務のサラリーマンを装っていますが、その正体は忍者の末裔であり、凄腕の傭兵です。

  • 能力: 傭兵時代は「静かなる狼(サイレントウルフ)」の異名で知られていました。「水の心」を会得しており、銃を使わず素手やナイフで戦う武術(忍術)の使い手で、ARMSやサイボーグとも互角以上に渡り合える、作中最強クラスの人物の一人です。
  • 役割: エグリゴリの施設に潜入し、キース・ブルーやオリジナルARMSのコアに関する情報を託された重要な人物です。

高槻 美沙(たかつき みさ)

涼の養母で、若々しく家事能力の高い専業主婦に見えますが、その正体は「笑う牝豹(ラフィング・パンサー)」「地獄の黒魔女(ヘルズ・ブラック・ウィッチ)」の異名を持つ凄腕の傭兵です。

  • 能力: ワイヤーや二丁拳銃を使いこなし、エグリゴリのサイボーグ部隊を圧倒する実力者です。戦略や戦術の分析にも優れ、「戦場の天才」と評されています。

なんか下の方から「力が欲しいか」と聞こえてくる気が

 

 

コメント

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