『ダンダダン』徹底レビュー!オカルトとSFが衝突する、現代マンガの最高到達点を読み解く 笑いと涙の怪異バトル!

幽霊を信じる女子高生と、宇宙人を信じるオカルトマニアの少年。交わるはずのなかった二人が、互いの信念を証明するために足を踏み入れたのは、あまりにも過激で、あまりにも切なく、そして予測不能な怪異の吹き溜まりだった。

現代マンガの表現限界を軽々と突破し、読者の脳をダイレクトに揺さぶり続ける弩級のエンターテインメント、それが『ダンダダン』という作品だ。単なるバトルもの、あるいはラブコメの枠には到底収まりきらない。本作がなぜ、これほどまでに熱狂を呼び、読む者の魂を捉えて離さないのか。その深淵に迫る。

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① あらすじ:交差するオカルトとSF、加速するカオスな日常

物語の幕開けは、一見どこにでもある放課後の口論から始まる。霊媒師を祖母に持つギャルの綾瀬桃(モモ)と、クラスで浮いているオカルトマニアの高倉健(オカルン)。「幽霊はいるが宇宙人はいない」と主張するモモに対し、「宇宙人はいるが幽霊はいない」と譲らないオカルン。二人は互いのオカルトスポット――UFOが出没するという病院廃墟と、幽霊が出るというトンネル――へ向かう賭けをする。

しかし、そこで待ち受けていたのは「偽物」でも「勘違い」でもなかった。モモはセルポ星人に拉致され、その脳を刺激されたことで秘められたサイコキネシスに目覚める。一方、オカルンは「100キロババア」ことターボババアに呪われ、身体を乗っ取られそうになりながらも、その呪いの力を逆利用する道を選ぶ。

ここから、二人の「失われたイチモツ(金の玉)」を取り戻すための、文字通り命がけの鬼ごっこが幕を開ける。

物語は、日常の裏側に潜む怪異を一つずつ暴いていく構成をとりながら、そのスケールを加速度的に広げていく。最初は一体の妖怪との対決だったものが、やがて地球の生殖機能を狙う宇宙人連合、さらには外宇宙からの侵略者、そして歴史の闇に隠された「呪物」を巡る壮大な戦いへと変貌を遂げるのだ。

特に圧巻なのは、外宇宙の侵略者「クル」との全面戦争を描いた長編エピソードだ。かつては敵対していたセルポ星人や妖怪カシマレイコ、そして新たな仲間たちが一堂に会し、地球を守るために共闘する展開は、王道の少年漫画的熱さを持ちながらも、本作特有のシュールなユーモアが絶妙なスパイスとして効いている。

最新の展開では、呪行李(のろいごうり)という呪物の中のボードゲーム世界に閉じ込められ、そこで出会った少年・ズマとの共闘、そして最強の敵・メルヘンカルタとの死闘を経て、物語はさらなる謎「ダンダダン」の正体へと近づいていく。メルヘンカルタ撃破後にモモが小人化してしまうという、一見コミカルながらも絶体絶命のピンチは、物語の舞台を出雲へと移し、神話的なスケール感すら予感させている。

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② 主要キャラ:脆さと強さが同居する、愛すべき変人たち

本作のキャラクター造形において特筆すべきは、誰もが「欠落」を抱えながら、それを他者との繋がりによって埋めていく過程が丁寧に描かれている点だ。

モモ(綾瀬 桃) 一見すると勝気な今どきの女子高生だが、その内面には祖母に育てられた複雑な生い立ちと、真っ直ぐな正義感が同居している。彼女のサイコキネシスは、単なる物理的な破壊力ではなく、「オーラを掴む」という性質を持つ。これは、他人の心や絆をしっかりと握りしめようとする彼女の精神性の表れでもあるだろう。オカルンに対する恋心も、茶化すことなく、時には切なく、時には激情を持って描かれ、読者は彼女の幸せを願わずにはいられない。

オカルン(高倉 健) 物語当初は気弱で孤独なオタク少年だった。しかし、モモという「初めての友達」を守りたいという一心で、ターボババアの呪いという異形の力を受け入れる。変身時の彼は、圧倒的なスピードと引き換えにネガティブな感情が溢れ出すという特異な性質を持つが、その「鬱」な状態ですら戦う理由を見出す姿には、真の勇気が宿っている。理想の男、俳優・高倉健のような「不器用だが芯のある男」へと成長していく彼の歩みは、本作の大きな感動の柱だ。

アイラ(白鳥 愛羅) 「自分は選ばれたヒロインである」という猛烈な思い込みから霊能力に目覚めた少女。傲慢で自己中心的な振る舞いも目立つが、その裏にある孤独と、妖怪「アクロバティックさらさら」との悲しい邂逅を経て、彼女は真の意味で他者のために戦う強さを手に入れる。モモとの小競り合いは、今や本作に欠かせない清涼剤となっている。

ジジ(円城寺 仁) モモの幼馴染であり、天真爛漫なムードメーカー。しかし、彼が宿してしまった「邪視」という呪いは、あまりにも重く悲しい。邪視の暴走を抑え込み、共生しようともがくジジの姿は、明るい表向きの顔があるからこそ、その痛みが際立つ。彼がオカルンと結ぶ「親友」としての絆も、物語に深い厚みを与えている。

バモラとズマ 新たに加わった二人も、単なる新キャラではない。バモラは滅びゆく故郷から地球へ希望を繋ぐためにやってきた異星人の少女であり、ズマは不遇な環境で育ちながらも仁義を貫く少年だ。彼らの背景にある「家族への愛」や「居場所への渇望」は、モモやオカルンたちの想いと共鳴し、チームとしての結束をより強固なものにしている。

 

③ 必殺技・特殊能力・有名エピソード:魂が震える演出の極致

『ダンダダン』を語る上で、その圧倒的な画力によって描かれる「能力」と「エピソード」は外せない。

「超高速の機動力」と「サイコキネシスの連弾」 オカルンのターボババアの力を利用した超高速移動は、静止画である漫画の中に「音」と「風」を感じさせる。ページをめくった瞬間に敵の背後に回っている、その緩急のつけ方は芸術的だ。一方、モモのサイコキネシスは、戦うたびに応用が利いていく。巨大な手でビルを掴み投げ、オーラの弾丸を放つ。この二人のコンビネーションバトルは、もはや一つのダンスのように美しい。

アクロバティックさらさらの最期(有名エピソード) 多くの読者が涙したのは、アイラを襲った妖怪「アクロバティックさらさら」の結末だろう。生前、愛する娘を守れなかった母親の怨念が妖怪化した悲劇的な存在。彼女が消滅の間際、アイラの中に娘の姿を重ね、その命を救うために自らのオーラを差し出すシーンは、本作が単なるホラーアクションではなく、深い「愛」の物語であることを証明した。

グレートキンタの降臨 シリアスな展開の中に突如として放り込まれる、SFオタクの金太による巨大ロボット戦。ナノスキンという高度な科学技術を使いながらも、その造形は金太の「想像力(中二病)」に依存するという設定が秀逸だ。絶望的な侵略者の軍勢を前に、家を巨大ロボットに変形させて立ち向かう姿は、滑稽でありながらも最高にクールで、本作の「なんでもあり」な魅力を象徴している。

メルヘンカルタ戦とズマの覚醒 呪行李編でのメルヘンカルタとの決戦は、本作のバトル描写の最高到達点の一つだ。物理法則が通じないボードゲームの世界で、知略と根性を振り絞り、ズマが「アンブレボーイ」の真の力を解放する。傘を使って空間を制御し、仲間を守り抜くその姿は、かつての敵やライバルといった垣根を超えた共闘の美しさを鮮烈に描き出した。


『ダンダダン』は、ページをめくるたびに新しい世界を見せてくれる。 怖いのに笑える。バカバカしいのに泣ける。 そして何より、キャラクターたちが生きることに全力だ。 幽霊や宇宙人という「人知を超えた存在」を鏡にして、描かれているのは紛れもなく、私たち人間の「熱」そのものなのである。

まだこのカオスな渦に飛び込んでいないのなら、今すぐその第一歩を踏み出してほしい。 そこには、あなたの想像を遥かに超える「驚き」と「感動」が待っているはずだ。

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