GS美神 極楽大作戦!! この世は金・・・

バトル

『GS美神 極楽大作戦!!』:超常現象を巡るドタバタと成長の物語

椎名高志氏が描く『GS美神 極楽大作戦!!』は、ユーモアとシリアスが絶妙に融合した少年漫画の傑作です。そのメディア展開の広さと、登場人物たちの深い人間ドラマは、連載終了から時を経た今も多くのファンを魅了し続けています。

作品概要

『GS美神 極楽大作戦!!』(ゴーストスイーパーみかみ ごくらくだいさくせん)は、1991年から1999年まで『週刊少年サンデー』で連載された人気少年漫画です。単行本は旧版が全39巻、ワイド版が全20巻刊行されており、その人気ぶりがうかがえます。1993年には小学館漫画賞少年部門を受賞し、批評的にも高い評価を得ました。ジャンルは少年漫画を主軸に、ファンタジー、アクション、コメディ、そしてバトル漫画の要素を幅広く取り入れています。

連載初期は一話完結型のギャグ路線が中心でしたが、物語が進むにつれてギャグの面白さを保ちつつも、シリアスな展開や本格的なバトル、アクションシーンが増えていきました。また、他作品、特にSF系の漫画、アニメ、映画からのパロディが頻繁に登場することも、本作の大きな特徴の一つです。

物語のあらすじと世界観

物語は、美貌と金への執着が人一倍強い女性GS(ゴーストスイーパー)美神令子を中心に展開します。彼女は、高額な報酬で妖怪や悪霊が引き起こすオカルトトラブルを解決することを生業としています。彼女の事務所で働くのは、美神の美貌に惹かれながらも時給250円という最低賃金以下の給金で働く貧乏学生の助手・横島忠夫、そして300年前に人柱となり幽霊となった心優しい少女・おキヌです。彼らは常に死と隣り合わせの危険なオカルト事件に巻き込まれていきます。

この作品の世界観では、霊能力者や幽霊、妖怪といった超常的な存在は社会に広く認知されており、除霊を行う霊能者は「ゴーストスイーパー」という国家資格制度によって管理されています。一部の妖怪は人間と共存し、社会に受け入れられています。人間が暮らす「人間界」の他に、神族が住む「天界(神界)」、魔族が住む「魔界」が存在し、これらを総称して「冥界」と呼びます。神族と魔族の上層部はハルマゲドンを回避するため協調関係にありますが、魔族の中には虐げられる役割に疑問を持つ者もおり、これが物語の中盤以降の重要なテーマとなっていきます。

 

主要登場人物

  • 美神 令子(みかみ れいこ): 容姿端麗でスタイル抜群ですが、守銭奴で利己的な性格。しかし、GSとしての腕前は超一流です。伸縮自在な神通棍(じんつうこん)を主な武器に、様々な悪霊、妖怪、魔族と戦います。唐巣神父を師匠とし、母親の美神美智恵と同様に時間移動能力を持ちます。
  • 横島 忠夫(よこしま ただお): 美神の美貌に惹かれて美神令子除霊事務所で働く貧乏学生。当初は単なるギャグキャラクターでしたが、竜神・小竜姫にGSとしての才能を見出され、特に第9巻後半の「誰が為に鐘は鳴る!!」編以降で大きく成長します。霊能力を開花させ、主役級の活躍を見せるようになります。煩悩の塊で女性好きですが、それがトラブルの原因になることも。連載中盤以降は、作者公認の実質的な主人公となります。
  • おキヌ: 300年前に噴火を鎮めるために人柱となり幽霊となった袴姿の美しい少女。成仏の仕方を忘れ、美神令子除霊事務所で日給30円で働いています。温厚で世話好きな性格で、漫画のヒロインとして絶大な人気を誇りました。横島に対して初期から好意的で、肉体を得てからはその好意を明確に自覚します。
  • 小笠原 エミ(おがさわら エミ): 美神のライバルであり、呪術を操る褐色の美女。美神と同様に高額報酬で依頼を引き受けます。
  • 六道 冥子(ろくどう めいこ): 天才的な式神使いの一族の娘。精神的には幼く天然な性格で、精神的ショックを受けると式神を暴走させてしまうことがあります。
  • 唐巣 神父(からす しんぷ): 美神とその母親の師匠である神父。美神とは対照的に、貧しい人々からの依頼を低報酬または無報酬で引き受けています。
  • ドクターカオス: 1000歳を超える高名な錬金術師。天才的な知識で美女型戦闘ロボットのマリアを創り出しましたが、近年は記憶力が衰え、奇妙な発明を繰り返して横島並みの貧困生活を送っています。
  • 小竜姫(しょうりゅうき): 妙神山修行場の管理人で、GSたちの修行を請け負います。横島のGSとしての才能を見抜き、彼が霊能力に目覚めるきっかけを作りました。

『GS美神 極楽大作戦!!』におけるゴーストスイーパー(GS)の解説

『GS美神 極楽大作戦!!』の世界において、ゴーストスイーパー(GS)は、妖怪や悪霊といったオカルトトラブルを専門に請け負い、解決するプロフェッショナルです。彼らは「除霊師」とも呼ばれ、依頼に応じて様々な超常現象に対応します。


 

世界観におけるGSの位置づけ

  • 超常現象の認知: 本作の世界では、幽霊や妖怪といった超常現象、そしてそれらを鎮めたり除霊したりする霊能者の存在が広く認知されています。これは主人公やその周辺人物に留まらず、社会全体で認識されている事実です。
  • 妖怪との共存: 一部の妖怪は人間社会と共存し、受け入れられています。
  • 国際的認知と政治への影響: 国際機関や各国政府もこれらの超常的な存在を認めており、国家によっては霊能者の存在が政治に大きな影響力を持つこともあります。
  • 国家資格制度: 霊能者は「ゴーストスイーパー」と呼ばれ、国家資格制度が設けられ、厳しく管理されています。これは彼らの専門性と危険性を社会が認めている証拠です。

GSの仕事内容と性質

  • 報酬の多様性: GSの仕事は報酬の形態が様々です。主人公の美神令子のように、現世利益を最優先し高額な報酬で仕事を請け負う者もいれば、唐巣神父のように貧しい人々からの依頼を低報酬または無報酬で引き受ける慈善的なGSも存在します。
  • 命の危険と社会的評価: 常に命の危険と隣り合わせの非常に危険な職業です。オカルト分野に詳しくない一般人からは、「詐欺商売」や「ヤクザな仕事」と揶揄されることも少なくありません。
  • 信用第一の原則: GS業界では「信用第一」がモットーとされており、依頼に失敗すると信用を失うため、いかなる失敗も許されない厳しい世界です。
  • 活動時間: 仕事の性質上、夜間、特に霊の活動が活発化する深夜の丑三つ時に活動することが多いです。

作中では、金にがめつくも腕利きのGSである美神令子、彼女の事務所で最低賃金以下の時給で働きながら霊能力に目覚めていく凡人、横島忠夫、そして300年前に人柱となった幽霊のおキヌが、主要なGS活動に従事するキャラクターとして描かれ、彼らの活躍を通じてGSという職業の様々な側面が浮き彫りにされます。

神通棍って凶器だよな

 

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